’02FIAアジア・パシフィックラリー選手権 第4戦
「ラリー北海道2002」CMSCから4台出場
CMSC千葉 丹羽浩道選手が総合12位、N4クラス8位
国内初のFIAアジア・パシフィックラリー選手権(第4戦)「ラリー北海道2002」が、9月5日(木)~8日(日)北海道帯広市を中心に開催されました。参加したCMSC選手5名(4台)が随所で健闘を見せ、CMSC千葉の丹羽浩道選手(N4クラス:三菱ランサーエボリューションVII)が、過酷なラリーを走り抜き総合12位、N4クラス8位となりました。
■第1レグ:スリッピーな路面に苦戦
9月6日第1レグは、雨のため路面の上をキープするだけでも大変なほどのスリッピーなコンディション。しかも柔らかく轍が掘れやすい路面に選手達は苦戦を強いられました。その過酷な状況の中、序盤から上位に顔を見せ、その存在感をアピールしたのは地元北海道のCMSC道北の鎌田卓麻選手(N4クラス:三菱ランサーエボリューションVII)。
昨年、同大会を2位でフィニッシュも失格となっているだけに雪辱を果たしたいという気迫が走りに表れ、SS4とSS5ではクラストップタイムを記録。第1レグを終了してクラス3位につけました。海外ラリーの経験もあるCMSC千葉の丹羽浩道選手(N4クラス:三菱ランサーエボリューションVII)は、まずは慌てない様にと抑えた走りで徐々にペースアップ。クラス15位から第1レグ終了時点では12位に上がってきました。CMSC埼玉の田口幸宏選手(N4クラス:三菱ランサーエボリューションVI)はSS2で、CMSC大阪の福永修選手/中川雅浩選手組(N4クラス:三菱ランサーエボリューションVII)はSS3で、スリッピーな路面に足下をすくわれコースオフ。コースに復帰できず、残念ながら第1レグにてリタイアとなってしまいました。しかし、両者とも「スーパーラリー」というアジア・パシフィックラリー選手権規則第2.6条により、次のレグからの出走が認められることになりました。
■第2レグ:鎌田卓麻選手、クラス2位走行中に惜しくもリタイア
9月7日第2レグは、相変わらず路面はスリッピー。しかも更に轍が深くなって悪路と化したコースコンディションの中、CMSC道北の鎌田卓麻選手は各SSで上位をキープ。SS10時点でクラストップまで19.3秒差まで詰め寄るクラス2位につけました。しかし、第2レグもあと2つのSSを残すのみとなったSS11にて、まさかのタイヤバースト。
大幅にタイムロスをしてしまい、残念ながらリタイアを余儀なくされました。CMSC千葉の丹羽浩道選手は、第1レグ同様に徐々にペースを上げ、SS9ではクラス8位を記録。無難に第2レグを終え、クラス8位となりました。「スーパーラリー」規定により、再出走を認められたCMSC埼玉の田口幸宏選手は第2レグ後半のSS11やSS13ではクラス4位を記録するなど、本来の速さを見せました。同じく再出走となったCMSC大阪の福永修選手/中川雅浩選手組は、SS6でクラス9位を記録するも、再びSS10にてコースアウトにより、リタイアとなってしまいました。
■第3レグ:丹羽選手、クラス8位でフィニッシュ
9月8日第3レグは、雨は降っていないものの路面状況は前日よりも悪くなっている状況。コンスタントに走り続けるCMSC千葉の丹羽浩道選手は、リタイアが続出するサバイバル戦と化したラリーで粘り強さを見せクラス10位前後を走行。無事にゴールを迎え、トータル走行距離1077.62km(内SSは260.66km)の過酷な3日間を走り抜き、クラス8位となる健闘を見せました。
「スーパーラリー」規定により走行を続けるCMSC埼玉の田口幸宏選手は、第3レグでもコースアウトなどトラブルに見舞われながらもSS16でクラス3位、SS19とSS20ではクラス4位を記録するなど豪快な走りと速さを見せ、次の大会へつなげる貴重な国際舞台での経験を得た結果となりました。
今回、波乱な展開となった日本初のFIA選手権タイトルが掲げられた国際大会が、成功裏に終えたのは日本のラリーに携わる関係者全員の努力の賜物と言えるでしょう。ラリー国際化が叫ばれてからの積年の労の証となりましたが、今後WRC招致など更なる発展を祈念するとともに、CMSC選手の国際舞台での活躍に期待したいですね!!
■ 丹羽浩通選手(CMSC千葉)のコメント
「地元のみなさんの熱烈な歓迎ぶりとWRC・NZラリーと同じ排気音の車が日本を走っているということに感動しました。雨の影響もありSSコースについては賛否があるとは思いますが、日本のラリーも大きな一歩を踏み出したのではないでしょうか。
国内初のFIA選手権に出場できて良かったと思っていますラインを外すとコントロールが効かなくなってしまうので、ペースノートに集中して走りました。
特に第3レグは深い轍が掘れてしまって、コースを横切るコンクリートの側溝が酷い段差になっていたので、バーストに注意してとにかく避けました。サービス隊が土砂降りの中、一生懸命サービスしてくれているのを見て、もう少し速く走りたかったんですが・・・。
次戦は、群馬での国際大会のアルペンラリーに出場する予定です。更に上位を目指して頑張りますので応援よろしくお願い致します。」
■ 出場CMSC選手の各SSでのクラス順位
【9月6日】 第1レグ | |||||||||
ドライバー | SS1 | SS2 | SS3 | SS4 | SS5 | Total | |||
鎌田 卓麻(CMSC道北) | 3位 | 3位 | 3位 | 1位 | 1位 | 3位 | |||
丹羽 浩道(CMSC千葉) | 15位 | 15位 | 14位 | 12位 | 13位 | 12位 | |||
福永 修 (CMSC大阪) | 9位 | 9位 | R | ||||||
田口 幸宏(CMSC埼玉) | 12位 | R |
【9月7日】 第2レグ | |||||||||
ドライバー | SS6 | SS7 | SS8 | SS9 | SS10 | SS11 | SS12 | SS13 | Total |
丹羽 浩道(CMSC千葉) | 22位 | 14位 | 14位 | 8位 | 15位 | 10位 | 12位 | 17位 | 8位 |
鎌田 卓麻(CMSC道北) | 2位 | 2位 | 2位 | 3位 | 2位 | 33位 | R | ||
田口 幸宏(CMSC埼玉) | (20位) | (11位) | (8位) | (8位) | (7位) | (4位) | (5位) | (4位) | |
福永 修 (CMSC大阪) | (9位) |
【9月8日】 第3レグ | |||||||||
ドライバー | SS14 | SS15 | SS16 | SS17 | SS18 | SS19 | SS20 | Total | |
丹羽 浩道(CMSC千葉) | 15位 | 11位 | 10位 | 15位 | 13位 | 14位 | 10位 | 8位 | |
鎌田 卓麻(CMSC道北) | |||||||||
田口 幸宏(CMSC埼玉) | (7位) | (36位) | (3位) | (7位) | (32位) | (4位) | (4位) | ||
福永 修 (CMSC大阪) |
*APRC規則「スーパーラリー」でリタイア後も出走可能となっています。リタイア後のSSでの順位は参考順位となります。
*SS順位は「スーパーラリー」出走選手も含まれています。
■ 出場CMSC選手の最終結果
ドライバー | クラス | 順位 | 総合順位 | ||||||
丹羽 浩道(CMSC千葉) | N4 | 8位 | 12位 | ||||||
鎌田 卓麻(CMSC道北) | N4 | 第2レグSS11にてリタイア(タイヤバースト2本) | |||||||
福永 修 (CMSC大阪) | N4 | 第1レグSS3にてリタイア(コースアウト) | |||||||
田口 幸宏(CMSC埼玉) | N4 | 第1レグSS2にてリタイア(コースアウト) |
■ CMSC帯広副会長の福本光志(ふくもとみつゆき)さんのオフィシャル参加コメント
「第一にラリーが大好きということが参加の一番の理由ですかね。今まで全日本戦のオフィシャルを何度も経験してきましたが一年に一回の帯広を舞台とした国際ラリー大会だから、会社を5日も休んでオフィシャル参加しました。CMSC帯広からは私と西澤秀則くんの二人が参加。私の担当は「ラジオポイント」呼ばれる競技車通過確認、大会本部とコース現場との連携をするSS中間監視と「SSスタート」などでした。
特に感じたことは参加したラリー車の造りの美しさとアジ・パシのトップドライバー達の速さに圧倒されました。あるSSではスタート後700mぐらいなのに既に全日本ドライバーを1~2秒近く離してました。折角、海外から参加した選手達に対して、コースが荒れてしまったのは残念ですが、まだまだ良いコースがこの周辺にはあるので、より地域と密接になって、そこが使えるようになれば良いなと思いました。 今回、オフィシャル参加して、国際ラリーのオフィシャルとしての重責も感じましたが、オフィシャルだけが味わえる楽しさもあったので、とても良い経験となりました。」
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